【見守りカメラ】高齢者に使用するデメリットとカメラに変わる見守りの方法
「そういえば最近親父(おふくろ)は物忘れが激しくなったよな・・・」
「お母さん、一人でちゃんと家のこと出来てるのかしら・・・」
あなたは自分の親にこのような不安を感じてはいませんか?
これからの日本は更なる高齢化になり、このようなご両親を抱えながら自分の生活も維持しなければいけなくなる方は増えていきます。
そして「見守り」のことを考えると大抵の方は
「そうだ!自宅にカメラを置いておけばいいんだ!」
と思いがち。
でもちょっと待ってください。
本当にカメラを使って見守りは成功できると思いますか?
今回は「カメラを使っての見守りサービス」について考えてみたいと思います。
見守りのプロがカメラの是非を教えます
最初にちょっと自己紹介をさせて下さい。
私は看護師として約10年ほど総合病院などで勤務をしてきました。
今は病院内の部署で、介護や入退院の相談を受ける仕事をしています。
総合病院に入院する方ってどのような方だと思いますか?
- 9割が65歳以上の高齢者
- 1週間程度の入院が基本。長いと2、3か月入院する方もいる
- 認知症の方も1~2割程度
このような患者さんの日々の入院生活を観察し、お世話をさせてもらうのが私達看護師です。
なので自慢ではないですが、さまざまな高齢者の生活の特徴であったり、認知症のパターン、見守りの方法の選択などはぶっちゃけ一般の人よりはかなり知識と経験があると自負しております(笑)
こんな私が考える「見守りの方法」、特にカメラを使っての是非について一緒に考えていきましょう。
カメラを使っての見守りは誰のため?
まず見守りってなんのためにするのでしょうか?
根本的なところですが、ここって大事です。
本人のため?家族の安心のため?
もちろん両者の為なのですが、肝心なのはご本人の生活を前提としていると考えて下さい。
私達看護師が患者さんご本人を見守り、患者本人の行動を制限させてもらう時には、まずその方の
人権や尊厳、ストレスを感じないか
を客観的に見ながら検討していきます。
そしてご本人の安全とのバランスを見ながらもっとも最適な方法をみつけているのです。
因みに病院で看護師が使う見守り(医療界では『抑制』とも言いますが・・・)の方法は以下です。
- センサー(その場所を通るとナースコールが反応する)
- マット式(足で踏むとナースコールが反応する)
- クリップ装着式(クリップで患者の衣類とと部屋にあるものを留めておき、そのクリップが外れたらナースコールが反応する)
- 体幹ベルトやミトン(ベッドに縛り付けるためのもの)
~以下は物を使わずにできるもの~
- お部屋のドアを全開にしてお部屋の中の様子がみえるようにしておく
- ナースステーションに連れてきて看護師と一緒に過ごす
このようにさまざまな見守りグッズを使用したりして、本人に合った見守りの方法を見つけています。
カメラの見守りは適切か?
さて本題のカメラを使った見守りですが、確かにカメラを使用すれば、自宅の中の様子が遠くにいても分かります。
声も聞こえるタイプもあり、一番ご本人の様子がわかるのではないかと思いますよね?
確かに使い方やその方の生活に合っていれば、カメラもとても便利な見守りアイテムなんですが、場合によっては全く意味のないものになってしまう可能性だってあるのです。
まずカメラの見守りの特徴やデメリットをお伝えします。
デメリット1:カメラですべての生活を把握できるわけではない
当たり前ですが、カメラを使用して把握できるのはみえているほんの一部の状況だけです。
あなたはカメラを使用するとして、どの場所にカメラを設置しようと考えていますか?
居間やリビングに置くといった方が圧倒的に多いのではないでしょうか?
確かに居間やリビングは生活の中で長時間過ごす場所なのでそこにカメラを置いておくのは間違いではないかもしれませんが、ご本人はずっとそこにいるわけではないですよね?
因みに私から言わせてもらうとすれば、患者さんが転倒しやすいのは
- ベッド周り
- 廊下
- 浴室
- トイレ
このような場所であり、居間にカメラを設置していた場合には、もし家の中で転倒しても居間以外だと気づくことはできないんじゃないかと思ってしまうんですよね。
カメラの見えない位置では何をしているか把握が出来ず、さらに外出しているかどうかも判別しづらいというデメリットがあります。
デメリット2:ストレスを感じやすい
ご両親が認知症が進んでいて、
「カメラがあることや設置場所もよくわかっていない」
という方なら問題がないのでしょうが(むしろそんな状態ならすぐに施設を探さないと危険すぎますが・・・)、ほとんどの高齢者は「カメラを設置する」という行為に対して拒否を示します。
あなたも自宅にカメラをつけられたら嫌じゃないですか?
誰だって自分のプライベートな時間を見られるというのは不快に感じます。
自分の大切な両親にそこまでして、生活を監視させたいかって話になるんですよね?
倫理的にも、ご両親の許可なく勝手に小型カメラを取り付けるなんてもってのほかだと思います。
カメラ以外に生活がわかる見守りの方法はあるのか?
じゃあカメラを使用する以外に、もっと便利な見守りはないのか?という話になりますよね。
私も最近知ったのですが、カメラを使わずに生活を見守るサービスができたのです。
ちょっと前では「ポットを使うと遠く離れた遠く離れた家族に連絡が行くというサービス」がありましたよね。(歌いながらCMしているやつw)
そんな感じで家の中で何かを使うと家族に知らせてくれるサービスが最近増えているんです。
例えばこちらの電気を使った見守りサービスで電力会社が提供している「遠くても安心プラン」。
こちらはポットなど、家の中にある様々な家電と連携し、家電を使っている時や、日々の家電の使用状況をAIがAIが感じ取り、日々の生活パターンを教えてくれるという便利なサービスです。
これはカメラを使ったサービスとは違い
- 家中どこでも家電の使用状況から今何をしているかがわかる
- カメラを使用しないため、本人達のストレスが全くない
- 日々の生活パターンがわかるため、いつもと違うことをしている時などは異常を早期発見できる
というメリットがあります。
このようにカメラでの見守りでは、見えてる範囲しかわからりませんでしたが、家中の家電の使用状況を把握することによって、今何をしているかまで分かってしまうんです。
例えば、お風呂を沸かしているときには、これからお風呂に入るということが分かるだろうし、テレビを見ていれば今でくつろいでいるんだろうなっていうことは予想できますよね?
そして家電が使用されていなければ、外出しているだろうことも予想できるし、あまりに長時間使用がなければ異常事態としてすぐに対応することができます。
さらに、ずっと火やレンジを使いっぱなしにしている状況も察知できるため、火事などのトラブルを未然に回避することも可能。
このように認知症の方が事故や火事などを防止するのにもかなり役立つサービスになっています。
こちらはまだ始まったばかりであまり知られてはいませんが、個人的にかなりおすすめをしています。
もっと詳しい内容を知りたいと思った方はこちらの記事をご覧ください。
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私は看護師として、高齢者の方は日々見守る必要があると感じていますが、なかなかそれを受け入れてくれる方は少ないのが現状です。
ふらつきがあったり、物忘れが多いような方でも、介護保険のサービスなんかを提案すると
「そんなの大丈夫だよ、まだ自分で出来るし。」
という返事をする方がほとんど。
でもなんとなく
「この方は自宅で転んで、また入院してきそうだな・・・」
というのは経験上の直感で分かってしまうんですけど。
しかし、このような見守りサービスならご本人が苦痛やストレスを感じることなく、カメラなども意識せず普通に生活することができるので、ご本人も受け入れてもらいやすいんじゃないかなって思います。
是非ご家族に導入を促してもらえたら、双方が安心できるサービスになりますよ。
デメリットは少しだけ工事が必要なこと
デメリットを書くとしたら、ちょっとだけ自宅に元気の使用状況を把握するための小型機器を取り付ける必要があることです。
自宅のブレーカーがある、分、電盤っていうところにちょっとした機械をつける必要があるのですが、専門業者が30分ほどで取り付けてくれるため、そこまで手間ではありません。
しかしご本人達に許可を得ず、勝手に取り付けることはできないため、しっかり家族がご両親にこのサービスを説明して納得して使っていただくことが条件となります。
でも、カメラに比べ圧倒的にストレスはないし監視されているという感じることもない為、オススメしやすいサービスと言えるんではないでしょうか?
まとめ:カメラの見守りが必要は方とは?
最後にカメラの見守りが適している方についてまとめてみたいと思います。
- カメラを置くことに対してストレスを感じない方
- 生活場所が主にリビングや居間などに限られている方
- ご家族がカメラを通して、目で見て安心したい方
このような方なら、カメラを使用した見守りがぴったりだと思います。
しかしカメラを置くことによって少しでもご本人が不快に思われるなら違う見守りサービスなどを検討してみてもいいのではないでしょうか?
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ちなみに配食サービスも、ご本人にとっては食事を提供してもらえて助かるとともに、一緒に人対人の見守りを定期的に出来るためおススメですよ。
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