認知症の見分け方
こんばんは、今回は
「認知症の初期症状の見分け方」
ということで、少しお話をしてみたいと思います。
クイズの答え
最初にブログで出題していたクイズの答えについてですが、あのイラストの言葉から認知症の特徴を読み取れるかがポイントでした。
ちなみにこちらが出題したクイズ。
答えはというと…Aの男性でした。
分かってた人も多いですかね?
では簡単に解説してみますね。
認知症は「そのもの」をわすれる病気
まず最初にこの2つのイラストについては、当時の背景も前後の様子もわからないので、この言葉だけで判断するのは難しいですが、少しでも皆さんに分かりやすく興味を持ってもらえるようにシンプルに作った、ということをご理解いただけたらと思いますm(__)m
そして大事なのは、認知症は年のせい、と考える人もいますが、認知症と老化にともなう物忘れは全く違います。
老化に伴う物忘れ(健忘)は自然な脳の機能低下によっておこるものですが、脳の働きの低下は軽度で生活に大きな支障をきたすことはまずありません。
しかし認知症は病気による機能低下(原因はさまざまで種類によっても違います)ですので、生活に大きな影響を与え、自立した生活が出来なくなってしまうことが多いのです。
イラストを見て2つの人物の違いと特徴を考えてみましょう。
[box02 title=”AさんとBさんの違い”]
- Aさんは鍵がない状況に焦っている
- Bさんはお昼ご飯を食べたことは覚えていて、その食事内容を忘れている
以上より考えられることとしては(あくまでも推測ですよ)
- Aさんは鍵を「置き忘れたのか」「誰かに渡したのか」さえも覚えていない可能性がある
- Bさんは「食事をした」というメインの事柄は覚えている
ココがポイントなんです。
[/box02]
認知症の最大の特徴は「体験したことすべてを忘れる」ということ。
本人の自覚もなくなってしまいます。
ですので、認知症の可能性が高いのはAさんという答えになります。
例えば、食事について認知症の人が話すとどうなりやすいかというと
「ごはんなんて食べてない!だからごはんください!」
こうなるのが一般的と言えるんですね。
これが認知症の中核症状「認知機能障害」というわけ。
で、ここがはっきりわかってくると、必然的に付随してくる症状にも納得ができるようになります。
- 鍵や財布がなくなったことを人のせいにする(ものとられ妄想)
- 自分の言ったことや行動したことを忘れ、同じ言動を繰り返す
- 自覚がないため、「自分は正しい。そんなはずはない。」と主張する(怒りやすくなる)
- 他人の促しを拒否する
こんな症状が二次的に出てくることがわかりますよね?
これを専門用語で認知症の「周辺症状(BPSD)」と言います。
BPCDは他にも不安やうつ、意欲低下などなどさまざまな症状がありますが、何よりこういった中心的な原因があって症状が出現している、ということを理解しておいてもらえると、ご家族の方が認知症に気づくきっかけになるのではないかと思います。
認知症や親の変化に気づけるのはまず「家族」
私は、今までたくさんの入院患者さんを見てきて、認知症かも?と疑わず、
「今まで自分でできていたから大丈夫」
と信じている家族が多いということを感じています。
確かに認知症はそのまま進行すれば、いずれは徘徊や警察沙汰、近隣住民などの第三者の介入などにより認知症であることはわかります。
しかしそうなってから気づくのでは、自宅で元の生活を送ることができません。
そうなると、老人ホームなどに入居するしかないという状況になってしまうのです。実際の入院患者さんにはそういった方が非常に多い、ということを知ってほしいと思います。
そして一番伝えたいのは、認知症は早期発見、早期介入することで、進行を防いだり、今まで通りの生活をより長く送ることが可能になるのです。
さらに適切なサービスや制度を使うことで、家族の負担を最小限にしながら認知症ケアしながらを地域でささえていくことが可能です。
そのために何より大切なのは
- 家族の観察・気づき
- 早期対応・相談
です。
認知症って本人はほぼ気づきませんからね。
誰かが異変を感じて、声を上げないと何も変わりません。
ですので、「自分の親はまだ大丈夫」と思わずに、コロナ禍がよくなり面会などをした際にはそういった視点で親御さんの様子を観察してもらえたらと思います。
今日はここまで(*^-^*)
プチ情報として読んでもらえたら嬉しいです。
4月から認知症セミナーを始めてみます!
この記事で認知症のことをもっと知りたい!
認知症介護者の声を聞きたい!という方はぜひ、参加してみてくださいね(*^-^*)
詳しくはLINEやメールでご案内いたしますので、そちらを見ていただけたらと思います。
ではまた~★