よくある質問と相談事例

注射や点滴をしながらでも施設は入れる?受け入れ拒否されずに入所できる施設と基準とは

さやみん

[char no=”1″ char=”パパ”]父が肺炎になって入院になり、食事も前のように食べられなくなってしまったので今は点滴をしてるんです。毎日2本やっているみたいですが、病状的には安定もしたので退院を検討するように言われました。でもこんな状態で自宅で面倒も見れないし、どうしたらいいのか。施設とかって点滴の管理もしてもらえるんでしょうか?[/char]

[char no=”7″ char=”ママ”]私の母は肝硬変になって、肝性脳症という意識障害のような状態になってしまいました。でも入院して治療をしてもらってよくはなったのですが、今までの内服では肝硬変の治療が十分ではないため、今ではアミノレバンという点滴を毎日しています。この点滴をしていないとまたいつ肝性脳症が起きるかわからないと言われています。本人は自宅へ帰りたがっていますが、私としては心配で。でも近くに住んでいるわけではないので、近くに施設などに見てもらえないかと思っているんです。でもこんな点滴をしながらでも入所できる施設ってあるんでしょうか?[/char]

病気は様々ですが、入院中から点滴をしていてそのまま退院になってしまうケースは少なくありません。
「点滴をしながら退院」と言われても家族は戸惑ってしまいますよね。

今回は注射や点滴をしながらでも施設に入れるのかについてお答えしたいと思います。また入れるとしたらどのような施設が適用になるのかを説明していきたいと思います。

注射や点滴をする理由

まず口から食べ物が摂取できない場合がは点滴で栄養を補わなければなりません。

高齢者の場合は口から摂取できたとしてもむせて誤嚥(ごえん)してしまったり、窒息の危険がある場合には口からではなく点滴などで栄養を補うこともあります。

また抗生剤などで菌をやっつけている場合も医師の指示があるまでは点滴を続ける必要があります。しかし抗生剤治療中はまだ状態が変化しやすい急性期のようなものなので、抗生剤の点滴をしながら退院ということはほぼないといえるでしょう。

何か必要な物質を体外から補う場合もあります。物質はさまざまですが、基本的に内服でできるものは内服でコントロールすることになりますが、内服で難しい場合には点滴管理ということになります。

 

施設で受け入れてもらえるのか?

実際に施設入所を考えた時に、点滴を理由に断られてしまうことはあるのでしょうか?

その答えは、点滴や注射を理由に施設への入所を断るケースはあります。

ある調査によると、施設の約8割が点滴や注射を理由に断るとのデータがあるのです。

 

なぜこんなにも多くの施設が点滴を理由に受け入れを断ってしまうのでしょうか?

 

受け入れてもらえない理由

  • 看護師の配置不足、24時間体制が出来ない
  • 状態の急変が予測される場合
  • 薬剤が高額(医療費が入居費に含まれる施設の場合)

 

このような理由が考えられます。

まずは点滴というと必ず看護師が必要不可欠になります。

点滴の針を刺すのも、抜くのも流量を調整するのも看護師です。これらは介護職員には出来ません。

たまに「やったことあります!」という介護職員さんもいますが・・・

 

点滴の回数やタイミングにもよりますが、昼間のみ看護師がいるような施設だと昼間の点滴はOKとして受け入れてもらえる場合があります。しかし24時間ずっと点滴をしている場合や、状態が悪くなった時に点滴が必要という場合では看護師が24時間体制で常駐する施設でないと対応できません。

 

ですので「施設の看護師の配置基準」というのが施設選びに重要な要件ということになります。

 

また状態の急変が予測される場合というのは、「がん」や「病気になったばかりで再発などのリスクが高い」ような場合には施設への責任が重すぎで、緊急時の対応が取れないという理由で断られる場合もあります。

 

また使用している薬剤が高額の場合、老健などの施設は「入居費の中に医療費が含まれる=施設が医療費を負担する」という特性上、受け入れを断る場合があります。

高額な薬剤はそれだけで施設の赤字になってしまいますからね。こんあ施設側の経済的な理由で入所を断るケースもあるのです。

 

受け入れできるかは誰が決めるの?

 

ごちゃごちゃ言ってわけがわからない!

とイライラしているアナタ。

気持ちはわかりますが、これが施設の実態です。施設によって基準や職員の配置もまちまちで、「この施設だったら間違いない」という施設は残念ながらありません。

 

この受け入れるかどうかを決定するのは「施設側(施設長など)」であり、いくら医師が「お願いだから入所させて!」と言っても無駄なのです。

 

ですのでこのような医療処置が必要な場合には、施設と相談するためにある程度の期間は必要ですし、主治医の診断書や看護の情報提供書(サマリーという)なども必要となります。

一般的な施設である

 

見学⇒申し込み⇒決定

 

という単純な流れではないことを覚えておいてください。

 

点滴でも受け入れ出来る施設(施設基準の確認が必須)

点滴をしていても受け入れてもらえる施設の種類をざっくりとお伝えします。

老健(介護老人保健施設)

老健は医療処置をしている方がメインで入所できる施設になり、介護保険の要介護1以上が出ていれば入所の対象になります。しかし老健は在宅へ復帰することを目的としており、基本的には自宅へ戻る方が対象です。しかしある程度施設入所のめどが立っている場合には一時的に入所することも可能です。

看護師の配置などの詳細はこちら↓

介護老人保健施設(老健)は何をする施設?入所できたケースとできなかったケースも紹介

 

療養型病床

こちらは病院内の「療養型」という名のついた病床のことで、「入院」という形になります。

病院なので施設や老人ホームと比較し、医療体制は整っており、点滴をしていても受け入れてもらいやすい施設といえます。

しかしこちらの療養型病床は社会的入院が問題となっており、将来的に廃止される予定の施設です。長期的に入所できるかはちょっと難しいといえるでしょう。

介護付き有料老人ホーム

その名の通り介護が付いた老人ホームのことですが、介護保険で入所できる施設とは違い、入居一時金なども必要で何かとお金がかかる施設です。介護は充実していますが、医療体制は施設によっても違うため、ちゃんと施設の情報を調べるようにしましょう。

詳しくはこちら↓

有料老人ホームの種類と特徴を比較してみた

 

基本的にはこの3つあたりが対象になるのではないかと。

他にも探してみるとサービス付き高齢者向け住宅でも看護師管理が十分にある施設もあったりします。自分の地域の施設を探してみるようにしましょう。

施設はどうやって探せばいいのか?

点滴などの医療行為をしている方は、一般的な施設探しの流れではなく病状の情報などのやり取りなどが必要と伝えました。ではそのようなやりとりはどのようにすればいいのでしょうか?そもそも、どんな施設に申し込めばいいのかもわかりませんよね。

 

そんな時はまずは病院の相談窓口に相談してみましょう。

ある程度の大きさの病院には「連携室」「相談センター」「入退院センター」などと言われる相談窓口があるはずです。

そこには私のような相談員がおり、退院先などさまざまな問い合わせに対応しています。

詳しくはこちら↓

お金、介護、退院場所など…退院についての不安は病院の相談窓口へ~退院支援の専門家とは~

 

ここで相談してもらうと、ご家族の希望に合ったその地域の施設の提案などをさせて頂きます。

 

 

そして相談窓口に相談が出来たら、ぜひ自分でも施設について調べてみましょう。

相談員任せにするのではなく、自分でサイトを見て資料をもらうとさまざまな施設を比較することができて、安い施設も見つけることも可能です。

そして気になった施設は相談員に見てもらい、実際に入所できるかどうか問い合わせてもらうという方法がおすすめです。

 

医療処置が出来る施設探すのにおすすめのサイトはこちらの【LIFULL介護】
というサイトです。

実はこのサイトは私たち相談員も施設を探すうえで利用しているサイトなんです。

もし相談員が身近にいない場合でも、サイト自体に相談窓口があるため、気軽に相談がすることが出来ます。

このように検索画面で医療処置を選択する箇所があるため、点滴管理に近い「中心静脈栄養」という項目を選択して検索してみましょう。24時間の看護師管理体制の施設を探すことが出来ます。

相談窓口とサイトを上手く活用しよう

点滴などの医療処置があるとなかなか施設を選ぶというのは難しくなってきます。

そのため自分だけで探そうとせず、必ず相談員に相談し、かつ自分でも気になった施設の情報をもらうようにしましょう。

ライフル介護以外のサイト情報を知りたい方はこちら↓

老人ホームを自分で探すのは危険! 相談員が教える資料請求できる無料サイトと施設選びのコツ



この記事を書いている人
管理人 さやみん
管理人 さやみん
現訪問看護師 ケアマネジャー 元退院調整看護師
総合病院勤務の時に1000人以上の患者様、ご家族様からの介護・病気・終活などの相談に対応。 「その人らしい生き方」「介護で苦しまない」をモットーにアドバイスしています。 治療も介護も正解はない! 「これでよかった」と思える人を増やすべくネット上で活動しています。
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