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【限定記事】特養の退去条件

さやみん
みなさん、LINEの登録ありがとうございます。 
 
 
 
 
ここまで読んでいただけて私としても本当に嬉しいですし、もっと有益な情報がお届け出来たらと感じています。
今回はアメブロで告知していた「特養」についてお話してみたいと思います。 
 
 
 

ちなみに特養は要介護3以上の方で介護度が比較的状況は重い方が、介護を受けるための公的な介護施設です。
 
他の有料老人ホームなどと比べて比較的安い費用で入居できるため、多くの方が特養の空きを待っているような状況になっています。 
 
 
 
 
ちなみにこの前、特養のスタッフさんが来院し、病院で情報共有をしたのですが、その特養の入所待ちは600人ほどいるそうです。
 
 
それでも、説明を受けたご家族は
 
「それでもチャンスがあるなら」
 
と入所を申し込んでいました。
 
 
 
なぜこんなに人気で入所待ちになる現象が起こっているのでしょうか?
 
 
 

特養は看取りまで入所できると信じていませんか?

 
あなたは
 
「特養は入居者が亡くならない限りベッドが空かない」
 
というような認識をお持ちではありませんか? 
 
 
 
だから
 
 
ベッドがなかなか空かない
 
 
 
 
入所待ちになる
 
 
入所出来たら最後まで見てもらえる
 
 
 
 
それなら時間がかかっても特養を待とう
 
 
 
 
 
こんな風に考えている方もいるのかなと思います。 
 
 
 
 
でも実は特養はお看取り前に退去になる可能性があるとしたらどうでしょうか?
 
 
 
 
事実、私は3年間退院支援をしてきた中で、数にすると5件程度は特養を退去になるケースの対応をしました。
 
 
数は多くはないと思いますが、実際にその事実があるということだけでもお伝えできればと書かせてもらっています。
 
 

退去理由は「病気」が多い

私がまず、病院の看護師相談員という立場もあるのでしょうが、ほとんどの人が「病気」を理由に退所になりました。  

 

 

え?病気で退所になるの?
 
 
と思ったあなた。
 
 
なるんですよ。
 
 
 
 
 
わかりやすい例を挙げてみましょう。
 
 

脳卒中になったAさんの話

 
その入所者(Aさんとしましょう)は、特養でちょっと様子が変で救急搬送となり、CTを取ってもらったところ、脳梗塞が見つかりました。
 
今まで自分で食事が取れていましたが、嚥下機能や手のマヒが残り、リハビリを継続する必要があると思われました。 
 
 
主治医は家族にこういいます。

 
 
「まだ急性期なのでマヒは残っていますが、言語聴覚士(呑み込みや発語などのリハビリを専門とするスタッフのことです)のリハビリを集中的に続けることで、口から食べられるようになりそうです。
 
 
リハビリ病院でのリハビリをお勧めしますがどうしますか?
 
施設へももどれますが、この状況では今までように口から食べるのは難しいかもしれません。」
 
 

 
 
 
さて、あなたならどうしますか? 
 
 
 
 
Aさんの家族は
 
「それで元のように元気になるならお願いします!」
 
と返答しました。
 
 
 
 
私の病院は、急性期の病院ですが、リハビリ専門の病棟がありません。
 
そこからリハビリ病院への転院への待機もあり、入院してから1カ月ほど待機。
 
その後リハビリ病院へ転院したのですが、リハビリ病院では数カ月のリハビリを必要としました。
 
 
 
 
ここで問題になるのが、特養のベッドを確保してもらえる期間です。
 
 
 
特養のベッドを確保してもらえるのは基本的に3か月まで。
 
それ以降は退去となるのです。
 
 
 
 
 
でも、Aさんの家族は医師からリハビリの必要性を説明された時、それを知らなかった。
 
 
 
 
しかし私たち退院支援チームも介入していましたので、もちろんその後、ご家族にはこの期間のことをお伝えしました。
 
最初は悩んでいたのですが、
 

「Aさんに元のように元気になってほしい」

その一心で、リハビリ転院を決めたんです。

 

 

最初は

「そんな期間があるのも知らなかった。戻れるって聞いていたのに・・・」

とかなり悩まれてはいましたが。

(もしかしたら、3か月という退去期間の説明はあったのかもしれませんが・・・)

 

 

 

ですので結果としては「退去」となりました。

 

 

この「3か月」という期間ですが、特養入所を検討している場合には覚えておいた方がいいです!

 

 

でも私はこの選択はAさん家族には間違っていなかったと思います

 

病院と介護のギャップ

もっと病院側が、施設のことを考えてくれてもいいんじゃないか、と思いますよね?

私なら思います。

 

 

事前に説明をしてくれるとか。

 

反対に施設側から、注意点として最初にアドバイスをもらえたら・・・

 

など。

 

でも現実はそうじゃない。

 

 

高齢者で脳卒中になる方は非常に多いです。

そして急性期病院は、その回復の可能性を優先して「リハビリの重要性」を説明します。 

 

脳卒中⇒リハビリ転院

と考えている医師がほとんどだと私は見ています。

 

 

施設の特徴や条件などを知っていて、家族にアドバイスしてくれる医師はほぼいません。

その場に私ら相談員が同席していれば、一言お伝えすることができるのですが、まだまだ急性期病院でそこまで踏み込んだ面接が行われることの方が少ないのです。

 

家族の知識と選択次第。

Aさんの場合、悩まれた結果退去となりましたが、もちろんここで「施設に戻る」という選択肢も十分にあります。

 

 

ここでも問題なのは、医療を提供する病院側が

「施設に戻るよりも、転院した方がいい」

と決めつけた話をしてしまうこと。

 
 
 

家族はこういわれたら、NOと言えないんですよ。

「先生がそう言うなら」

となって言ってしまうんです。

 

 

あなたならどういった判断をしますか?

やはりそこでも家族が持っている情報や、相談する力が求められるのかな?と思います。

 

特養を退去になる可能性はある。でも結果や可能性は自分次第で変えられる。

Aさんは、施設ではなくリハビリ病院で過ごすことを決め、特養を退去になりました。

この記事では「強制退去」というよりは、「自主退去」ですね、もしあなたが想像してたのと違う記事でしたらすみません。

 

 

でも、あなたが今まで

「特養に入所したらずっと亡くなるまでいられる」

という認識でいたのであれば、こういった問題に直面する可能性があることも頭に入れておいていただたらと思います。 

 

すべての人がお看取りまで穏やかに過ごせるわけではありません。

 

 

高齢者の場合どんな病気を発症し、どんな経過をたどるのかを予測するのは難しいのです。

 

脳卒中だけではありません。

他にもさまざまな病気や医療処置で退去になる可能性は十分にあります。

(がん、点滴、吸引、インスリンなどなど・・・)

 

 

しかしAさんを引き合いに出したのは、家族もこの選択に巻き込まれるからです。

 

Aさんのケースで言うと、家族がここで「施設に戻る」という選択も出来たはずです。

しかし「元気になってほしい」という想いとの葛藤の中で、しかもその判断を数日以内で決めないといけないのです。

 

 

あなたならどうしますか?

 

答えはないので、投げかけのみです。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここまでは特養の退去理由の話。

他にもいくつか紹介したいケースはあるので、おいおい書いてみたいと思います。

 

介護と医療をうまく橋渡しできる○○を見つけよう

Aさんの話ですが、ちょっと私事を書いてもいいですか?

 

実は特養の中にはSTさんがいる施設もあるし、リハビリに力を入れている施設もあるんです。

でもその事情を家族は知りませんよね?

 

 

ここからはもし今の私だったらの話。

(当時は相談員になったばかりでこのスキルがありませんでした。)

 

Aさんの特養に相談し、STがいるのかを聞きます。

もし在籍しているのであれば、今のAさんの状況と急性期病院で行われているリハビリを具体的に伝え、それが施設で実施可能かを確認します。

 

熱意のある施設やスタッフさんだと

「大丈夫です!やってみます。」

時には

「Aさん、みんなにかわいがられてたんですよ!ぜひ戻ってきてほしいです。」

なんて言ってくれる優しいスタッフさんもいるんです。

 

それを踏まえて、ご家族に提示する。

  1. リハビリ転院をすれば、専門的なリハビリを毎日実施してもらえるので回復は早い。でも施設には戻れない。
  2. リハビリ病院ほどのリハビリは受けられないかもしれなけど、元の特養でもうちの病院のようなリハビリは続けられる。

この上でどっちにしますか?

と家族に投げかけてみる。

 

ここまでなら今の私はします。

家族がどっちを選ぶのかは別として。

 

何が言いたいかというと、

  • 知識・情報
  • 相談する人・場所
  • 選ぶサービス(施設だったり介護サービスだったり・・・)

そういったもので可能性や選択肢は変わってくると思うんです。

 

家族が役立つ知識や情報を持って、寄り添って考えてくれる人やモノ、サービスを選択する力を身に着けようってことです。

 

私の反省、語ってもいいですか?

私は今までたくさんの家族を言いなりにしてきました。

 

病院の相談員として

「ここは急性期病院なので、他の患者さんが治療できなくなってしまいます。できるだけ早めに退院先を見つけてもらえませんか?」

「とりあえず○○病院へ転院してこの先のことを考えましょう」

と家族に迫っていたんです。

 

今でもこのように病院は案内をします。

家族を動かすために。

 

そして組織にいる一因として。

 

「次の患者さん待ってるんだよ!早くこの患者どうにかして!」

「○○さん、まだ退院決まんないの?いい加減にして!」

そんなことを医師や上司から言われていると、頭もおかしくなりそうです・・・(;一_一)

 

 

でもこれは何か違う、そう気づき始めて、私は今のようなブログを書きはじめました。

少しずつ共感していただけたり、「いろいろ知りたい」と思って、LINEに登録していただく方が増えてきた今、少し私の考えも変わってきました。

 

介護や医療で「動かされて戸惑っている人」「こんなはずじゃなかった」と後悔する人達をたくさん見てきました。

振り回す立場になったことで今の状況はおかしいと気づくことができました。

 

しかし今思うのは、

本人・家族が知識や情報を持って、納得して自分に合ったサービスや医療を選べるようになってほしい、

 

そして熱意のある人やサービスをつながれるように

 

ということです。

 

今そのために何ができるのかを考えているところです。

まだわかりませんが、みなさんと一緒に何かできたら・・・

 

そう考えています。

 

またLINEやブログで少しずつ情報や考えを発信していけたらと思うので、よかったら支えていただけると励みになります。

なんか、あまりまとまらない文章ですいません。

少しでも現場のことなどを知っていただけたら幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

この記事を書いている人
管理人 さやみん
管理人 さやみん
現訪問看護師 ケアマネジャー 元退院調整看護師
総合病院勤務の時に1000人以上の患者様、ご家族様からの介護・病気・終活などの相談に対応。 「その人らしい生き方」「介護で苦しまない」をモットーにアドバイスしています。 治療も介護も正解はない! 「これでよかった」と思える人を増やすべくネット上で活動しています。
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