よくある質問と相談事例

余命宣告を聞いた家族の7割が間違っている事実

さやみん

 

「先生、父(母)はあとどれくらいでしょうか?」

「余命ってそんなに長くないんですか?」

 

そんなかんじで医師との面談で聞く家族は非常にたくさんいます。

でもこれ、本当に大丈夫でしょうか?

 

何が大丈夫かわからない方に、退院調整看護師として毎日のようにこのような面談に立ち会っている私が個人的主観も含めて書いてみたいと思います。

余命宣告を信じすぎ!

まず結論。

「余命宣告の7割は間違っている」

といっても過言ではないと私は思っています。

 

 

緩和ケア病棟にも顔を出しておりますが、入院する際に以前の病院で聞いている予後(余命のこと)は間違っていることも多いです(;・∀・)

 

「予後2~3か月」

 

と言われた患者さんが普通に半年以上お元気に過ごせることも非常に多いです。

もちろんその宣告通りになる方もいますが・・・

 

この理由は「長期間を見越した余命宣告」であることが大きな理由だといえます。

 

余命宣告を決める判断の基準は?

まず医師は何をもとに余命を告知していると思いますか?

ネットを見ても正直なところが書かれていないので、正直にお話させてもらってもいいでしょうか?

病状とデータと症状

まず一番の基準は病状ですよね。

 

今出ている症状や病気の進行、データなどをもとに客観的に判断をしていきます。

がんであれば転移の有無や進行具合など。

医師の経験

病状や症状は重要な判断材料ではありますが、

「この転移や症状があれば〇カ月の余命」

といった具体的な判断基準は存在していません。

 

その基準をなるべきものこそ、その医師の経験値でもあるのです。

私は医師ではないので、ここは割愛させていただきますが、それを見守っている側としてかなり感じるのは

「医師の個人差が激しい」

ということ。

同じような病状でも

「あと半年は大丈夫でしょう」

という医師もいれば

1カ月以内に急変も覚悟しておいてください」

というように表現が全く違うことも少なくありません。

 

これは医師自身がプラス思考型かリスク重視型かの人間性によっても大きく変わってくる気がします。

余命宣告で振り回されないために

私は決して医師の余命宣告を否定したいわけじゃありません。

 

ただ家族が余命宣告で振り回されて、つらい思いをするケースを何度も目の当たりにしました。

「先生、あの時こういったじゃない!嘘つき!」

と予想よりかなり短い期間でお亡くなりになって、医師あたるしかない家族。

 

「こんなことは言いたくないが、想定以上に長引いて医療費で困っている。」

と相談に来たご家族もいらっしゃいました。

(この方は「あと数日~数週間」と言われて3か月以上入院していました)

このような様々なケースがあります。

 

なので少しでもご家族の方がストレスなく、余命宣告を受け入れ終末期のかかわりができるようにサポートをしてもらいたいと思っています。

余命宣告の聞き方が重要!伝える必要があれば医師から説明がある

なぜこのようなトラブルにつながってしまうのかを私なりに考えてみました。

上記で「長期間を見越した余命宣告」ということを書きましたね?

 

どういうことかというと、本当に家族に余命を知ってもらいたい場合には医師から説明があるということ。

医師側から伝えられた情報か、家族から聞きだしたのかによって余命宣告の信ぴょう性は大きく変わってくるのです。

 

あなたは自分の夫や妻、お子さんなど元気な方を見て余命がわかりますか?

 

「わかるわけないでしょ!」

「あと30年以上は生きるわ!!!」

 

と突っ込みが聞こえそうですが、きっと医師も同じ気持ちになっていると思ってください。

医師もはっきりとした症状や病気の進行が見えない場合には、正確な余命宣告はできないのです。

本当に意識レベルが下がって、「そろそろだな・・・」という場合には、早急に家族を呼び出して医師側から説明があります。

 

しかし、がんで転移はあるけれど、病状は落ち着いているし、治療もできるといった場合には、

「まだ元気で過ごせそうだから余命なんて考えられない」

というケースも多々あるのです。

 

最近では家族側から予後を聞き出すケースが多い

最近では家族が余命を気にして、医師に質問をするというケースが増えました。

冒頭で書いたようなあの質問です。

そうすると医師としては

「とりあえずその場で考えて予後を伝える」

という対応をしますよね?

 

つまり医師側も余命宣告なんて全く想定していないのです。

これってほぼ不確実だと思ったほうがいいです。

 

医師だって余命を伝える必要があれば、医師側から伝えているはず

そういった状況でないのに、家族側から聞き出した余命というのは

医師がその場で判断した情報

にしかすぎません。

それを信じて、振り回されてしまうと家族の負担も増えてしまうことに・・・

 

信じてもいい余命宣告の条件とは

このようにかなり医師をディスってしまった私ですが、確実に信じてもいい条件というものもあります。

それは

  • 「予後1カ月以内」
  • 「医師の方から話してきた」
  • 「延命処置をどうするか聞かれた」

この3つの条件だけ。

 

先ほどの話をまとめると、本当に家族に余命を伝えなければいけない状況になった場合には、医師側から説明があります。

この3つのどれかにあてはまれば、医師自身も看取りを真剣に考えているということになります。

 

なかなか余命宣告に関しては、受け取り方は難しいですが、このような情報を参考にしてみてください。

 

家族の正しい認識と対応とは?

じゃあ家族から余命を聞くのは無駄なのか?

意味はないのか?

といったところに行きつきそうな内容になってしまいましたが、家族が余命を気にするのはとても大切なことです。

 

重要なのは医師の告知に振り回されずに、余裕をもった心の準備と終活をすすめていくということ。

いつかはその時がやってきます。

 

その時に慌てないように、参考程度に余命宣告を受け止め、家族としてお看取りに向けてすすめていくということが大切なのではないでしょうか?

終末期やお看取り関しても、専門のスタッフにつないだり、緩和ケアの専門医師や看護師などにつなぐといったこともしています。

そういったことに関しても相談対応できるので、心配な方は病院の相談窓口や私の個別相談などもご利用ください。

 

この記事を書いている人
管理人 さやみん
管理人 さやみん
現訪問看護師 ケアマネジャー 元退院調整看護師
総合病院勤務の時に1000人以上の患者様、ご家族様からの介護・病気・終活などの相談に対応。 「その人らしい生き方」「介護で苦しまない」をモットーにアドバイスしています。 治療も介護も正解はない! 「これでよかった」と思える人を増やすべくネット上で活動しています。
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