老人ホームへの入居を決める理由とは?多い理由とタイミングはこれだった!
こんにちは、退院支援看護師のさやみんです。
退院と簡単に言っても、元の生活に当たり前のように戻れる場合と、全く予期せぬ状態となり新たな生活場所を考えていかないといけない場合もあります。
今回は子供が親を自分で見ることが出来ないず、「施設に入れたい」と感じる理由やそんなケースを紹介してみたいと思います。
もし当てはまっていたら、あなたも施設入所・入居などを考えてみるタイミングかもしれません。
「親を施設に入れたい」と考える理由
- 親が自分で生活が出来なくなった(体力の低下・認知症など)
- 子供が遠方に住んでおり、親のことが心配
- 介護が必要な状態であるが、子供には介護が出来ない
- 治療をしている最中であるが、長期入院が認められない
- もともと介護をしていたが、親自身の状態がさらに悪くなってしまった
- もともと介護をしていたが、介護者(子供など)が働き始めたり、仕事や育児の負担が大きくなってしまった
などなど・・・
このように親を施設に入れることを考えるタイミングは人それぞれで、私もいろいろなケースの相談を受けています。
一概に「〇〇の状態になったら」という基準があるわけではなく、その人やその家族なりの事情や生活背景によって違うため、悩みを誰にも相談できずに抱え込んでしまっている人が多いのだと感じています。
でも多くの方が「親の介護や施設に入れること」で悩んでいるのは事実なので、これを読んでくれているあなたが親のことで悩んでいるなら、ぜひその悩みを相談してほしいと思います。
「親を施設に入れたい」と思ってもなかなか決断できない理由
- お金がかかる
- 世間的常識的に申し訳なく感じる
- 施設の種類や手続きの進め方がわからない、手続きが面倒
施設に入れようと思って、すぐにそれが出来るのなら、もっと楽にしていますよね。
でもたくさんの方が親の介護のことで悩んでいるのは、こんな理由があるからだと思います。
1の経済的な理由は、施設と切っても切り離せません。
家族の負担もかなり出てくるため、簡単に決断することは難しいですよね。
2は、「親を施設に入れるなんてかわいそう」「自分で親の面倒を見れないなんて、ダメな人間だ」という考えが少なからず存在していることを表しています。
実際に職場で相談を受けていても、このように自分で罪悪感を感じてしまう家族もいますが、私は決してモラルに反した決断だとは思いません。今の社会がこのような制度や施設を必要としているのであり、家族の負担や苦労を考えれば「施設へ入れる決断」というのも十分に尊重されるべきものだと思うのです。
3の手続き等に関しては、実際に仕事で携わっている私自身も嫌になるくらい制度や施設の種類が複雑です。
これを家族が一から調べようとしたら誰だって嫌になると思います。
でもそのために病院や地域にはちゃんと相談窓口が設けられているのです。介護やサービスについて知りたいと思った場合にはぜひそう言った窓口も活用するようにしましょう。
「まだいっか。」を放置しておくとこうなる
施設って言ってもよくわからないし、とりあえず今のところは何とかなっているから大丈夫だろう・・・
そう考えてしまっている方は、もしかしたら放置した結果、さらに悪い事態になってしまうかもしれません。
体力が低下してしまっている場合
自分で動けない、生活が出来ていないような場合には、まず体調面で変化が表れ始めます。
その状態を放置してしまった結果、脱水や栄養状態不良などで病気を引き起こしてしまうことも。
また自宅などで転倒して骨折をしてしまうと、高齢者の場合はかなりの高確率で「寝たきり」の状態になります。
そうなると生活云々のレベルではなくなるため、生活すべてにおいて介護が必要な状態をなってしまうでしょう。その際には「ま、いっか。」などという悠長なことは言ってられず、早急に在宅サービスや施設入所などの手続きを進めていかなければいけません。
認知力が低下してしまっている場合(認知症など)
認知力の低下は人によっては、かなり急激に進行してしまうこともあります。
物忘れが多いくらいレベルのだった高齢者が、あっという間に不穏状態(落ち着かず大声をあげたり、動き回ったりする)になったり、徘徊を始めたりというケースも入院中には多く見られます。
特に入院などで生活環境がガラッと変わってしまったような場合には要注意です。
そして認知力が低下した状態で生活を続けていると
- 徘徊などで他人に迷惑をかけてしまう、事件事故に巻き込まれる
- 火の不始末で火事を引き起こす
- 規則だたしい食事が出来ず、栄養状態が悪化する
などのリスクがあるのです。
病気などで入院中の場合
入院をしていれば、とりあえずは安心かなと感じている家族は非常に多いようですが、ここは退院支援看護師としていうと、
「ずっと入院は無理・・・(療養病床でない限り)」
というのが本音です。
今の病院などの医療機関では、入院日数の削減を強いられており、私達は入院してすぐに退院支援に取り掛かり始めています。
入院直後に退院支援という名目で挨拶をさせて頂くと、よく
「入院してすぐにそんなこと考えられるわけないでしょ!」
といわれてしまいますが(言われすぎてもう慣れた)、入院直後から退院の支援などに取り組んでいかないといざ退院となった時には対応が間に合わないことが非常に多いのです。
ですので家族の方にはできるだけ入院中から、「退院したらどうやって生活するんだろう?」という気持ちで気にかけてていてほしいと思います。
ちょっとでも気がかりなことがあれば、病院の相談窓口などで相談をしてみましょう。
まれに「治療をしているんだから、まだ入院させてもらえるよね⁉」というような家族がいらっしゃいます。
確かに病院なら医療保険も使えて費用も安く済むし、看護師などがずっとついているため安心できますよね。
しかし上記でも書きましたが、現在の病院では入院日数の削減を強いられており、治療やリハビリを続けていても状態が安定しているようなら退院許可を出すことがあるのです。
それがたとえ癌の末期の状態でも、です。
そのくらい退院に関してはうるさく言うようになっているのが現状です。
ですので家族の方は「入院中だから」と安心しきらずに、退院後のことを踏まえて考えていくようにしましょう。
施設や介護について分からなかったら、まず相談!
施設や介護と聞いても、今まで何も経験したことがない家族にとっては、何もわからない手探りの状態ですよね。
でもみんな、そこからのスタートなんです。
そしてそのような家族を支えるために私達退院支援などのチームであったりソーシャルワーカーなどの相談員がいますし、地域にも地域包括センターや役所などに相談窓口が設置されているのです。
地域の相談窓口には自分から行かないと何も動いてはもらえませんが、もし入院中などの場合には、医師や看護師に施設や介護について相談すれば、必然的に退院支援の窓口にもつながる仕組みの病院がほとんどです。
身近に相談が出来る人や場所があるなら、早めに相談してみましょう。
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