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【孤独死】一人暮らしの親はどうなる?子供が出来ること3つ

さやみん

こんにちは、退院サポートナースのさやみんと申します。

小さな総合病院で退院先についてのアドバイスや調整などのサポートをさせて頂く仕事をしています。

 

最近増えているのが、「孤独死」しそうなケース。

最近増えている一人暮らしの高齢者のケース

Aさんは妻に先立たれ、一人で自宅ですごしていました。しかし自分で家事などが出来ず、次第に家にはごみが溜まるようになり不潔な環境に・・・そしてあまり外にも出たがらないAさんは、家に引きこもるようになり認知症の症状が出始めてきました。

それを見ていた子供達は、一緒に住むことも提案してみましたが、住み慣れた自宅を出ようとはしません。

そうこうしているうちに認知症はどんどん進行していき、徘徊などで地域の方からも家族に相談が来るようになりました。もともとAさんには、糖尿病などの持病もあり、今では薬がちゃんと飲めているのかもわからない状況です。

 

さて、こんな場合家族はどうしたらいいのでしょうか?

あなたはご両親はこのような現状に悩んではいませんか?

  • 親が遠方にいて元気でやっているのか、倒れたりしていないか心配
  • 親が持病があって、突然体調が悪くならないか心配
  • 親が一人で生活が出来ているのか心配
  • 親が認知症と診断された、この先どうなるのか心配

今回はこんな親を抱えた家族が出来ることについて考えていきたいと思います。

放っておくとどうなるか?

 

きつい言い方をしますが、このようなケースでは「孤独死」「事故」という危険が高い状態です。

 

1人で持病を抱えたまま自宅ですごしていたりすると、持病が悪化して急変した時に誰も助けてもらえずそのまま・・・ということも十分に考えられます。

 

また認知症の親をそのままにしておくと、知らないうちにどんどん進行し、火の始末や徘徊、車の運転などにより家事になったり事故につながる危険も考えられます。

 

病院に一人暮らしの高齢者が救急搬送されることが増えている

私は総合病院の看護師として現役で働いています。

そしてその病院には多くのひとり暮らしの方が運ばれてきています。

 

その多くは

  • 道端や庭で転んで動けなくなっているところを近所の方が発見し通報してくれた
  • 自宅に帰れなくなってしまっているところを近所の方や警察官が保護したが、けがをしていたため病院連れてきた
  • 自宅で苦しくなり、自分で救急車を呼んだ
  • 数日間姿が見えず、自宅を訪問した際に倒れていた

 

などなど。

あなたの親も放っておくといつかこうなる日がやってきてしまうかもしれません。

もちろん病院では傷の治療や、検査をして体に悪いところがないか調べたりはしますが、転倒や徘徊などが原因の場合には数日で退院となることがほとんどです。ましてや認知症で徘徊をしているような方は、病院側からも早期退院を促されることが多いようです。

入院中は認知症が進行しやすい理由と看護師が教える5つの対処法

そうなると病院側が頼るのはご家族です。

遠方に住んでようが関係なく、病棟のスタッフから退院の送迎や医師との面談、時には

入院中の呼び出しがある場合ってどんな時?家族が入院したときにはいつでも駆けつけられるようにしておこう

のように、ずっと付き添うようにお願いされることもあります。

 

ご家族にとっては

「入院していれば安全だろう」

と考えてしまうかもしれませんが、入院中こそ家族の負担が増え、さらには退院後の生活について真剣に考えなければいけない局面に立たされることになるのです。

 

孤独死や事故を防ぐために家族ができること

あなたがここを読んで、自分の親が一人暮らしで「孤独死」や「事故」の危険があると感じている場合には早めの対応が必要となります。

 

ここからはそんな親を抱える子供が出来ることについてお伝えします。

1:見守りサービス・緊急通報サービスの活用

とりあえず今のところ、元気でやっていて認知症の症状もないという方であれば、遠方の家族がちゃんと生活が出来ているかを確認できる「見守りサービス」「緊急通報サービス」を活用することをお勧めします。

よくあるのが電気の使用状況で親が今どんなことをしているのかがわかる見守りサービス。



親のプライベートを守りながらも、子供が元気にしているかどうかを確認するために最適だといえます。

 

また警備で有名なALSOKセコムでも、さまざまな見守り・緊急通報サービスを展開しているため、その方の状態にあったサービスを使うことができます。

ちょっと体調が変だなと思ったらすぐに駆け付けてくれてタクシーや救急車の手配をしてくれるものもあれば、認知症で徘徊してしまうような方向けに靴に装着するタイプのGPSサービスなんてのもあります。

詳しい内容は公式サイトを見てみて下さい。

こちらはALSOKのサイト↓


こちらはセコムのサイト↓


このようなサービスを利用して、いつ何が起きても対応できる体制を整えておくことが大切です。

 

2:介護保険の申請・サービスの利用

もし杖を使用して歩いていたり、認知症と診断されているような場合には介護保険を申請して介護サービスを利用することを考えてみましょう。
介護保険について何もわからないという方は
要介護認定をわかりやすく解説 した方がいい人・してはいけない人とは
で勉強しましょう。

つまりこの介護保険を申請すると、

  • デイサービス
  • リハビリ
  • ヘルパー
  • 介護用品レンタル

 

などのサービスを受けることが出来、しかも介護保険を利用するため、サービス料の1割の負担金ですむことになります。

 

そして最大のメリットは「定期的に人の目が入る」ということ。

介護職員などが定期的に訪問することになるため、安否の確認や体調を把握することが出来るのです。

 

もしサービス利用中に具合が悪くなってしまったり、体調を崩しているところを発見したような場合には救急車を要請したりも出来ます。(同乗は出来ませんが)

 

なので離れて暮らすご家族も安心できるのではないでしょうか?

3:施設入居の検討

それでも徘徊が頻回であったり、おむつが必要になってしまったりで24時間体制でのサポートが必要な場合に荷は老人ホームなどの施設入居を検討しなければいけなくなります。

 

老人ホームといってもかなり種類も多く、入居の条件やサービス内容も施設で異なるため、情報をしっかりとって親御さんに合った施設を見つけてあげることが重要です。

その方法についてはこちらの記事で紹介しています。

老人ホームとは⁉介護や施設をはじめて知る人のための超簡単解説

老人ホームに入居させる目的とは?どんな理由で施設への入所を決めるのか?

老人ホームを自分で探すのは危険! 相談員が教える資料請求できる無料サイトと施設選びのコツ

 

 

サービスや施設へ頼りっぱなしではいけない理由

ご家族の方で多いのが、

  • 施設へ入れたからもう安心
  • 毎日ヘルパーさんが来てくれるから大丈夫
  • デイサービスでなんでもしてくれる

そう思ってしまうことです。

確かに介護スタッフなどの目があり、見守ってくれることにはなるのですが、決してご家族の責任がなくなったわけではありません。

 

施設へ入居している場合でも衣類などが不足したり、他の入居者へ被害が及ぶような場合には家族への対応が求められます。さらに病気が悪化して入院となればご家族へ連絡がいき、対応しなければいけなくなります。

 

私も仕事で入院中のご家族の方に連絡をすると

「施設にすべて任せてあるからわかりません!」

「近くにいるので、そんなに行くことはできません。」

「仕事が忙しくて無理です。」

という反応が返ってくることも少なくありません。

確かにご家族の気持ちも立場も分かるのですが、このように逃げてしまうと施設や病院側としても関係を築きにくくなってしまうので、できるだけ寄り添って考えていただけたらと思います。

 

 

まとめ

高齢者の一人暮らしは元気なうちにはいいですが、病気がすすんできたり認知症が始まると、体調の急変や事故などにつながってしまう危険があります。

もしあなたの親がそのような状況になっているならば、早めの対応をするようにしましょう。

 

ここに挙げた方法以外にも、まずは身近な相談できる人に相談してみるのがおすすめです。

お金、介護、退院場所など…退院についての不安は病院の相談窓口へ~退院支援の専門家とは~

 

ぜひ危険を回避する対応を考えてみて下さい。

この記事を書いている人
管理人 さやみん
管理人 さやみん
現訪問看護師 ケアマネジャー 元退院調整看護師
総合病院勤務の時に1000人以上の患者様、ご家族様からの介護・病気・終活などの相談に対応。 「その人らしい生き方」「介護で苦しまない」をモットーにアドバイスしています。 治療も介護も正解はない! 「これでよかった」と思える人を増やすべくネット上で活動しています。
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