ベッド代や食事代…医療保険や高額療養費が使えない入院費って何⁉自己負担しないとダメ⁉
入院のお金って実際に退院時の請求を見ないとわからないため、実際に入院するといくらかかっているのかわからず不安になる方も多いと思います。
また医療費は公的な保険(社会保険や国民保険)で3割負担や1割負担に抑えられますが、その公的保険も使えない入院費があるのをご存知ですか?
ここで紹介する入院の費用はすべて自己負担(全額負担)となり、退院の際の会計時にあなたがパニックになりかねない元凶でもあります。
今回はそんな医療保険が使えない入院にかかる費用について、現役ナースより紹介したいと思います。
医療保険が使えない入院の費用はこんなにある
- 差額ベッド代
- 食事代
- 先進医療の費用
- 未承認の抗がん剤
- 妊娠・出産にかかる費用
- ワクチン(予防接種)
- 付き添いのベッド代
- テレビ視聴代
- 洗濯・乾燥
などなど・・・
入院はそこで生活をするということになるため、衣食住身の回りのことをすべて考える必要があります。
病院に入院すればすべて保険でどうにかなるという考えは間違っています。
ではそんな保険が使えない入院の費用について詳しく見ていきましょう。
差額ベッド代
これは保険が使えない費用の代表的なものですね。
大部屋で一般的な部屋を選ぶなら何もお金はかかりませんが、他人の話し声やいびきなどが気になる、静かな部屋で療養したいという方もいるでしょう。
そんな時にはやっぱり個室の利用はおススメです。
個室への入院は大部屋とどう違う?費用や医療保険の適応は?使用するメリットデメリットとは
うちの総合病院では個室の種類は
- 8,000円
- 10,000円
- 12,000円
- 15,000円
- 20,000円
と金額別に用意されています。
そんな個室使う人なんているの?なんて思うかもしれませんが、かなり毎日満床に近いくらい日々利用されているのが現状です。
最初は大部屋にいたけれど他人の生活音が気になってストレスになって個室を利用したという方も多くいます。
自分には関係ないと思うかもしれませんが、入院してみると個室を検討する可能性もあるということを覚えておきましょう。
食事代
なんと2018年4月より入院の食事代が
360円⇒460円
に引き上げられました。
厳密にいうと、すべて自己負担なわけではなくて食事代は1日640円と定められおり、自己負担分以外を公的医療保険が賄ってくれていることになります。
つまり2017年度までは280円が支給されていたが、2018年度より支給額が180円に減額されたという方が正しいです。
でも結局は患者が支払う負担が増えたのにはかわりありません。一応所得が低い方は、自己負担額も低く設定されていますが、大半の方はこの460円を毎日支払わなければいけません。
先進医療・未承認の抗がん剤
今話題の先進医療や、新しい抗がん剤などを使用して治療した場合すべて自己負担での支払いとなります。
でもこれを見ても
「自分はそんなのしない」
と軽く考えている方がほとんどだと思います。
でも実際い現場で働く看護師の立場から言わせてもらうと、未承認の抗がん剤を使用するケースは意外と多いのです。
なぜなのか、その理由はこちら↓
自己負担が100万以上も⁉抗がん剤の費用と高額療養費の適応となるケースとは
妊娠、出産に関する費用
妊娠の検診や出産費用は公的な医療保険は適用されず、すべて自己負担になります。
ですが、地域によって検診の費用補助や出産一時金など公的な補助もあるため、適宜サービスなどを使用して自自己負担をできる限り少なくすることが重要です。
ワクチン(予防接種)費用
入院とは関係ないかもしれませんが、入院していて高齢者の肺炎球菌ワクチンなどの接種希望がある場合はもちろん全額自己負担ということになりますので注意しましょう。
付添のベッド代
入院時の付添が必要な場合は意外と多いものです。
入院中の呼び出しがある場合ってどんな時?家族が入院したときにはいつでも駆けつけられるようにしておこう
子供の場合はほぼ親の付添が必須になりますし、高齢者の場合は夜間に落ち着きがなくなるなど看護師のみでは危険な場合には、ご家族に付き添いをお願いする場合があります。
そのような際に、個室の利用で付き添いベッドがすでに付属してある場合には追加料金はかかりませんが、付添のベッドを新たに借りる場合には、1日数百円ほどの自己負担金が発生してきます。
この料金も公的医療保険の対象外なので、注意しましょう。
テレビ視聴代、洗濯、乾燥料金
入院は生活ですので、一日を過ごすための時間を潰すものや、洗濯などの費用も発生してきます。
そのようなお金はもちろん自己負担となります。
大した金額ではないと思いがちですが、入院が長期になったりすると意外と金銭的に負担になってきたりするため注意しましょう。
もし医療費を払えなかったらどうするの?!
入院で公的医療保険が使えない費用って数え切れないほどあるのがわかっていただけたでしょうか?!
ですので、保険でなんとかなると思っていると支払いの際に衝撃を受けてしまうことも・・・
実際にそのような患者さんはたくさんいるのです。
実際に入院費を払えなくなってしまった場合はどうすればいいのでしょうか?!
病院専属のソーシャルワーカーに相談する
病院には専属のソーシャルワーカーなどの相談窓口が設けられていることが多いです。
そういった窓口がないか看護師などに相談してみるのもいいでしょう。
ソーシャルワーカーはそのような金銭面や入退院の相談を専門にしているため、サポートになってくれるはずです。
生活保護の申請も検討する
病気が長期化したり、がんで治癒が見込めないような場合には、思い切って生活保護に切り替えてしまうのも一つの方法です。
実際に入院中に医療費の支払いが出来ず、ソーシャルワーカーの支援のもと生活保護申請をした患者さんを何人かみてきました。
将来的に経済的困窮が予測されるような場合には、生活保護を検討してみてもいいでしょう。
ローンやキャッシングなどを検討する
生活保護まではしたくないけれど、一時的にでも入院費をまかないたいという場合には、ローンやキャッシングの利用も一つの方法です。
今では窓口に行かなくても、ネットからローンやキャッシングの比較、手続きがスマホやパソコンから簡単にできるようになりました。
入院中でも病院にいながら、借入金なども検討できるので、シミュレーションしてみるのもいいでしょう。
スマホから簡単に有名な会社までたくさん比較出来るこちらのサイトなどを利用してみてもいいでしょう。
ベッドにいながらでも、比較、検討することが出来ます。
もし入院費を払わなかったらどうなるの?!
たとえ入院費をうまく払わずに退院したとしても、病院側は患者さんの住所や氏名、保険証番号などあらゆる個人情報を把握しています。
そして半永久的に自宅などに半永久的に医療費の請求が行くことになります。
それは書面であったり、電話連絡であったり手段は様々ですが、その連絡さえも無視するようなことになってしまうと、法的措置など社会的にも危険なトラブルに繋がるおそれもあるため、逃げる、バックレるといったことは絶対にしないようにしましょう。
まとめ
- 公的保険が聞かない入院費用はたくさんある。
- 入院費が払えないような場合には早めに相談と対応を!