老人ホームとは⁉介護や施設をはじめて知る人のための超簡単解説
こんにちは。退院調整看護師のさやみんです。
退院支援看護師っていったい何⁉と思った人はこちらをご覧ください。
お金、介護、退院場所など…退院についての不安は病院の相談窓口へ~退院支援の専門家とは~
私はこのように仕事柄、患者さんを自宅や介護施設などへ退院に向けてお手伝いをさせてもらっています。
日々患者さんや家族の方と接していると、毎回「老人ホーム」について聞かれるのです。
- 「老人ホームって介護保険が使えるの⁉」
- 「老人ホームってすぐに入れるの⁉」
- 「老人ホームってどのくらいのお金がかかるの⁉」
- 「〇〇っていう施設に入れたいんだけど入所できる⁉」
- 「施設に入れるってそもそもどういうこと⁉」
などなど・・・
そのくらい今まで介護や施設について考えたことがない人にとって「老人ホーム」って未知の領域なんですよね。
でもサイトなどで調べてみると、特別養護老人ホームとか有料老人ホームとか、サービス付き高齢者向け住宅とかわけわかんない単語が並んでる。
これじゃあ理解出来ないのもわかるよな・・・
と日々感じています。
私自身も施設全部を把握するのはとても難しく、はじめて退院調整という立場になった時には施設というもの自体が皆さんと同じように何も知らない状態でした。
調べても意味が分からなすぎて撃沈。
今まで必死に理解してきました。そのくらい種類も豊富で、日々変化をしているのが老人ホームと呼ばれるものの実態です。
でもこれを知っていないと、高額なお金もかかってくるし、契約時にスタッフに言いくるめられてしまうかもしれません。
ですので、ここでは本当に老人ホームのことを何も知らない、超初心者のために超簡単な説明をさせてもらおうと思っています。
ちなみに私が患者さんや家族に説明する際に参考にしている本はこちら↓
また地域の役所や病院の相談所などでもらえるパンフレットなどもとても分かりやすいです。
気になった方は窓口で問い合わせてみてくださいね。
老人ホームってざっくりいうとどういうところ?
私が個人的に超わかりやすく定義を作るなら
介護保険が使える方(基本的に65歳以上の高齢者)で、自宅で生活することが困難になってしまった方が入所するところ
ですかね、簡単すぎますか(笑)
でもこれだけ伝えたら、施設に入れるかどうかの基準はある程度理解してもらえるんではないでしょうか!?
自宅で生活できるかどうかの判断は、ご自身でされてもいいし、ご家族の判断でも構いません。
要はもう自宅で生活したくない・出来ないと感じたら、それはもう老人ホームに入ってもいいという基準をクリアできたことになるんです。
老人ホームは介護を受けることも可能な施設もあるし、何もサポートが不要な状態でも、アパートの一人暮らしのように自由気ままに生活できる老人ホームもあるんです。
老人ホームってその適応の幅が広すぎることが、これから知ろうとする意欲を削ぎ落とす原因だと私は感じています。
とにかくこの基準に当てはまれば、どこかしらの施設には入ることは出来ます。お金や介護保険などのことは後に考えるとしてね。
なのでまずは、自分や家族が老人ホームの入所に適応するのかどうかを考えてみましょう。
介護保険って何!?
次に出てくるのが介護保険の話になります。先程の定義にも「介護保険が使える」とありましたよね!?
老人ホームと介護保険は切っても切れない関係といえます。その介護保険について、簡単に説明します。
65歳以上の高齢者なら、基本的に誰でも介護保険を使うことが出来ます。45歳から介護保険料を支払って来たのだから、誰でも使う権利はありますよね。
でも申請をしないと使うことは出来ません。申請方法はまた詳しく説明するとして、要は役所などで手続きが必要なんです。申請したら、結果的に介護認定と呼ばれる区分が出されます。
状態が軽いものから順に
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5
の7段階のどれかに該当するか、もしくは非該当ということもあります。
このように介護保険の申請しないと、施設に入ることは出来ないのです。
介護保険の詳しい話はまたゆっくり書かせてもらいますね。ここでは老人ホームを利用するためには、介護保険の利用が必須だということを覚えておいてください。
老人ホームのざっくりした種類
介護保険のことをわかってもらったうえで、一番難しい、老人ホームの種類について説明していきます。
ここであの難しい単語がずらずらと並んできます。なんでもっとわかりやすい名前にしなかったんだろう・・・
私でさえこの文字を見るとなんだか憂鬱な気分になります。
ではなるべくここを見ている方が嫌にならないように出来るだけわかりやすく説明していきたいと思います。
老人福祉法で定められた公的な施設:①特養(特別養護老人ホーム)と②老健(介護老人保健施設)
老人ホームのざっくり分類として、営利目的かそうでないかで別れます。
営利目的な老人ホームは、自分たちで費用も設定できますし、好き勝手に内容や基準も決められるため、かなり幅広い条件の老人ホームが出来てしまうのです。
しかしこの老人福祉法で定められた老人ホームはちゃんと都道県知事の許可を受けて運営されるため、
- 料金体制がほぼ一律でかなり安い
- 超人気で空きがないこともある
という特徴があります。
その公的な施設2つを紹介します。
①介護老人福祉施設または特別養護老人ホーム(特養・とくよう)
介護保険福祉施設も特別養護老人ホームも同じものになります。
じゃあそんなややこしい名前をつけるなよ・・・とも思いますが。
特養(とくよう)と呼ばれる老人ホームで、とにかく人気・〇か月待ちというのが当たり前な老人ホームです。
なんでそんなに人気なのかというと、料金が安く、要介護3以上であれば入所でき、基本的にずっと入所できるためです。
でも現実はそんなに甘くなく、いくら入所の希望を出したとしても、先着順に入れるわけではなく、介護度(介護保険の区分)が低い方を優先的に入所させるため、いくら待っても入所出来ない可能性があるのです。
ですので実態は要介護4・5などの重い入所者ばかりになってしまって、その方たちが退所(お亡くなりになる)するまでは空きがないという現状です。
これじゃぁいくら希望を出しても、見込みは低い人ばかりですよね・・・なのでなので、他に安くてもっといい施設はないのか⁉と探していくと、次にたどり着くのが老人保健施設になります。
②老人保健施設(老健・ろうけん)
老健と呼ばれるこちらの施設も、公的な施設ではあるのですが、目的が自宅に戻ることというのが先ほどの特養とはちょっと違います。
また主体が医療法人(要は病院)であることが多く、リハビリや点滴などの医療処置を必要としている方が多く入所しています。
つまり
入院した患者さんなどが、病状が安定して状態は落ち着いているけれど、自宅に戻るのはちょっと不安・・・
といったような方が一時的に自宅に戻れるようになるまで入所するような場所と思ってもらえたらと思います。
しかし要介護1以上があれば原則入所が可能で見取りまでしているケースも増えていることから、入所可能な対象となれば、料金も比較的安く入所出来るため人気の老人ホームといえるでしょう。
原則は3か月までという期間限定の施設なので、その間に他の施設を探すという保留期間を作るのにも適した施設といえます。
ありすぎて分からない営利目的の老人ホーム
上記では公的な老人ホームを紹介させてもらいましたが、ここからは自由に料金を決めることが出来る私営の老人ホームの種類を紹介していきます。
介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホーム
長ったらしい名前ばかりで嫌になりますね。
要はお金がかかる老人ホーム(営利目的)ということになります。
上で書いた、安く入所出来て人気の「特養」へ入所出来ない方が、まず第一選択する施設ということになります。
介護付き有料老人ホーム
「介護付き有料老人ホーム」はその名の通り、介護が必要な方へその施設の中で介護を提供してくれます。
つまりずっと介護が必要な方が入所する老人ホームということになります。
料金は本当にピンキリで、ここではざっくりとも書けません。
安ければ10万円台で入れるところもあるようですが、キリを言うと億のところもあるようですしね・・・
住宅型老人ホーム
「住宅型老人ホーム」はその名の通り、住宅型である程度自立して生活が出来る方を対象としています。
食事が出たり、掃除をしてくれるといった援助があるくらいで、介護が必要となったら、外部サービス(ヘルパー)などに依頼します。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住・さこうじゅう)
私も最初「さこうじゅう」という単語を耳にした時、かなり違和感を覚えたのですが、業界用語では当たり前の呼び方になっています。
こんなに略すなら、もっと簡単な名前にしろよ!って突っ込みたくなりますよね(笑)
名前からはよくわかりませんが、その実態が「高齢者マンション」とほぼ同義です。
ただ高齢者だけが住んでいるマンション。
好き勝手生活してもらって構わないよ~、その代り見守りだけは行くからね~!
こんなかんじのところです。
何か介護とかが必要であれば、外部からヘルパーなどを利用することはできます。
これの料金もピンキリで、自立している方がほとんどですが、中には介護度が重いく、自分で動けない方が外部サービスを利用しながら生活していたりする場合もあります。
とりあえずこの辺で基本的なことは抑えた!
なんとなく老人ホームについて理解していただけたでしょうか?
ちょっとでも知っているのと、何も知らないのでは、必ず施設を探すときに差が出てきます。
不必要な契約をさせられたり、本人の生活に合わない施設を選んでしまったりということがないように、ある程度の知識を持つようにしましょう。
またこのサイトでさまざまな情報を発信していきたいと思いますので、気長にお付き合いください。
ちなみに、これを読んで施設を検討してみたいと思った方は、自宅の地域の施設のパンフレットを一括で取り寄せることが出来るサイトで、パンフレットをもらうことをお勧めします。
無料で利用できますし、複数の施設を見比べながら詳しい料金形態を比較することも出来るため、下調べに必ず役立ちますよ。
ぜひこちらのサイトで検索してみて下さいね↓