介護保険を申請した方がいい人とは?
- デイサービスって行きたい人だけがいくところでしょ?
- 本人が嫌がっているんだから、介護保険はいらない。
- そもそも介護保険って元気な人が使っちゃダメじゃないの?
- 介護保険って寝たきりになった人が使うんでしょ?
これ、全部間違っています。
そして間違っているまま、何もしないでいると
- いつの間にか認知症が進行して、家族の介護の負担が増えてしまう
- 介護保険を使おうと思っても本人が介護保険のサービスを拒否してしまう
- どんどん筋力や体力が落ちて、今までのような生活が送れない
そんな結果につながってしまうこともあります。
介護保険を使わなかったケース
以前熱中症で入院してきたAさんの話をしてみたいと思います。
Aさんは息子と2人暮らし。
息子さんも仕事があるので、昼間は家で一人で生活をしていました。
もともと自分で家事も出来ていたAさん。
Aさん自身が外に出るのが嫌いで、基本的に家にこもってTVなどを見ているのが日常でした。
しかし80代になり、歩くのも大変な状態に・・・
そこで家族も一度は「介護保険」について考えて、地域包括支援センターというところに相談をして、介護保険の申請を進めることにしました。
そうして要介護の認定が下りて、デイサービスを利用することになりました。
しかしAさんは
「つまらない」
「他の人がいるところに行きたくない」
と家族に不満をこぼします。
それを聞いた家族は
「楽しくないなら、デイサービスはやめよう」
「家で好きにしていていいよ」
と伝え、介護保険のサービスは全部やめてしまいました。
そうして今年の夏、エアコンのない部屋でぐったりしているのを近所の方に発見され、救急車で運ばれる事態に・・・
搬送された直後の状態は、体は垢や排泄物で汚染され、体重は20kg台となっていました。
そこで改めて看護師が話を聞くと
- 「食事は食べてもおかゆを数口程度。喉はあまり乾かなかった。」(本人談)
- 「食事は本人が「食べられている」というから気にしていなかった」(家族のお話)
- お風呂は大変だから入っていない。
- エアコンは本人が嫌いだからっていうし、山なので比較的涼しいからいらない。
という状況でした。
そして介護保険について改めてお話すると
「介護保険は以前使ったことがあるのですが、本人が嫌がってしまってやめたんですよ。
私も嫌がる母を無理には連れていけないし。
また使うって言っても同じじゃないですか?
私も一緒に住んでいるので、こうやって気にかけていますし。」
と家族はおっしゃいました。
Aさんは「早く家に帰りたい」と希望しますが、高齢でもあり、歩くための筋力がなかなか戻らず、自宅での生活が難しくなり転院という形になりました。
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これを聞いてあなたはどう思いますか?
このAさんのケースには介護保険を使う意義がたくさん隠れていると思うのです。
介護保険を申請した方がいい人とは?
Aさんのケースを聞いて、冒頭の考えが間違っているということがお判りいただけたでしょうか?
少なくとも
「介護保険のサービスが嫌いだから、使わなくてもいい」
というのは間違っていることがわかりますよね?
嫌いな人に対しても、本人に寄り添いつつ上手にサービスを活用することで安全や健康が維持されるのです。
(このあたりはケアマネや相談員のスキルにも関係すると思います)
そして「寝たきりになったら使う」というのも手遅れになってしまうこともあります。
Aさんの場合、適切な時期に適切なサービスを使っていたら、Aさんの希望である「大好きな自宅で長く過ごしたい」という夢はかなえられたと思います。
介護保険を申請した方がいい人とは?
あなたはもしかしたら
- 杖を使っている人
- リハビリがしたい人
というようなチェックリストに当てはまるような内容をイメージしていたかもしれませんが、そのようなチェックリストは、そのリスクを知る一手段にしかすぎません。
大切なのは、本人の全体像、体の状態、心の状態、そして家族の理解、サポート、そういった部分までしっかり把握すること。
そこでやっと介護保険の必要性という本質が見えてくるのだと思います。
そして「本人がサービスを使いたくない」と拒否する場合、そのままにしておいていいのかという問題が生じてきます。
少なからずそこで「介護保険」が提案されている状況ということは、誰かしらが
「介護保険を利用した方がいいのでは?」
と考えた結果だと思うので、そこは慎重に判断していくべきだと思います。
確かに無理強いして、サービスを強制的に提供することはよくありません。
しかしそこを一緒に考えるためにケアマネジャーや病院の相談員がいるのです。
家族でわからなかったらそういった専門家に相談をしながら、本人の希望に合ったサービスを長く継続していくことが、何よりも「本人のため」になるのです。
拒否する原因をとらえ、希望を叶える方法を一緒に見つけ出す
特にAさんの場合、
- 本人に合ったサービスが使えなかった
- デイサービスが嫌いになってしまったときに、他のサービスを提案することができなかった
- 家族が介護保険の目的や使うメリットが正しく理解できていなかった
このようなことが、根本的な原因だったと考えられます。
このような原因をとらえながら、
「どうしたらAさんが気持ちよくサービスを使えるか」
という視点で考えていくと、
本人の希望も叶えられるし、家族の負担軽減につながる理想のケアプランになっていくと思います。
たとえば、Aさんは病院に入院してお風呂に入った後
「あ~気持ちよかった」
と嬉しそうでした。
でもこれは、家では実現できなかったことです。
そこでお風呂へ入ることを目的として、半日のデイサービスや、自宅へ入浴介助のヘルパーなどを提案してみるのもいいかもしれません。
必要な人には必要な介護を!
あなたは自分の親が病気になった時に、病院に行かずにそのままにしておくのを放置しますか?
きっと
「すぐに病院に受診に行こう」
と促して受診へ連れて行くと思います。
ではどうして介護になると、このように放置をしてしまう人が出てくるのでしょうか?
命にかかわらないから?
確かに病気と違い、生命に直結するような問題ではないかもしれません。
しかし長期的に考えると、Aさんのように、本人が「長く家で元気に過ごしたい」という希望が叶わないリスクがあるのです。
私はこの「生活の質」は命と同等のものだと思っています。
動けない状況で施設で長生きしても、私自身、嬉しくないですし。
生活や生き方を重視する人ほど、介護保険を積極的に考えるべきではないでしょうか?
あなたの親はどうですか?
ここであなたの家族について考えてみてください。
今は元気でも、以前と少しずつ生活の様子が変わってきてはいませんか?
今自分で生活が出来ていると思っても、高齢により体力や認知力なども衰えてきます。
そうした変化を感じ取れるのは他でもない、家族のあなたです。
もしあなたが遠くに住んでいて、そういったところに気づけない場合には、定期的にスタッフが訪問してもらえる見守りサービスなどを活用してみてもいいでしょう。
特に最近ではコロナの感染拡大に伴い、「田舎の両親の様子がわからなない」といった悩みを訴える家族も少なくありません。
介護保険は元気な方でも「見守り」「介護予防」の目的でサービスを利用することが可能です。
また、地域でもこういったこもりがちな高齢者の健康状態を把握するために、高齢者向けの無料の教室なども開催されています。
このようなサービスをうまく活用しながら、
- 親の状態を観察する
- 変化に気づく
- 介護保険を検討する
- 専門窓口へ相談する
これらを適切なタイミングで行えるようにしていきましょう。
私のLINEでも気軽に相談してみてください(*^-^*)
ちなみに今回登録していただいた私のLINEでも、個別で相談対応させていただいております。
もしあなたが家族のことなどで相談したい場合には、ぜひこういったLINE相談で気軽にメッセージくださいね!
感想などもお待ちしております(*^-^*)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!