【会員限定記事】認知症を放置するとこうなる!対応を手遅れにした患者の特徴
こんにちは、退院調整看護師のさやみんです。
認知症の方は最近とても増えていますよね?
入院中は認知症が進行しやすい理由と看護師が教える5つの対処法
実は自分の親が認知症と診断されているという方もいるのではないでしょうか?
「でもまだ自分で生活ができているし、平気でしょ」
「たまにぼけている程度だから大丈夫じゃない?」
と感じていても、実は生活を見てみたら想像以上にひどかったというケースもあります。
認知症を放置するとこうなる
認知症が進行するとどうなるのか?
その一部の症状を紹介したいと思います。
- 記憶障害
- 性格の変化
- うつ傾向
- 身体機能の低下
- 幻覚・妄想
などなど・・・
このように記憶障害だけではなく、その方の性格まで変わってしまうのが認知症です。
認知症と言ってもアルツハイマーやレビー正体、脳血管障害などさまざまな種類がありますが、そのような病態の説明は割愛(笑)。
その人の人柄が代わってしまうというのが、介護や退院支援において最も重要なんです。
どういうことかというと、手遅れになってしまうと必要なサービスを入れようとしても難しい状況になるんです。
早い段階なら介護保険やサービスを取り入れやすい&進行予防になる
まず認知症の方のサポートというとあなたは何を思い浮かべますか?
ヘルパーやデイサービス、徘徊のための見守りなどでしょうか?
このようなサービスは基本的に介護保険のサービスで受けることが可能です。
そしてこのようなサービスを利用することで、サービスの担当者が本人の状況を定期的に観察し、
- 認知症が悪化していないか
- 受診の必要性
- 生活のリスクマネジメント
など様々なアセスメントをしてもらうことが可能です。
そして対応として、家族に状況を教えてもらえたり、早期受診を促すなど悪化しないための対策を早期にできるといったメリットがあるのです。
しかしそれらは、早期から対応できていた場合に限り有効とも言えます。
認知症が進行しすぎるとすべてに拒否的になってくる
最初に認知症が進行すると、人格そのものが変わってしまうとお伝えしましたが、人格が変わってしまうとこちらから何を説明しても拒否的になり受け入れようとしてもらえなくなってしまうんです。
「食事やお出かけのことが心配なので、ヘルパーさんに来てもらいましょう」
といくら説明しても、
「そんなのは嫌だ」
と拒否をされてしまうか、
「わかった」
と一時的に納得したとしても、いざサービスを利用すると
「お前は誰だ?でていけ!」
となってしまうことに・・・
こうなったところでご家族がいくら説得をしても、今までの経験上、サービスを導入しても結局本人が断ってしまうというケースも多々ありました。
ここまでなってしまうと正直手遅れ感が歪めないです・・・(T_T)
もっと早期にサービスを導入できていれば、サービス担当者とも信頼関係が築けていたかもしれない。
せめてケアマネだけでも入っていれば、こうなる前に早期対応ができたかもしれない・・・
そんな後悔を感じてしまうんです。
一人ぐらしの男性のお話
ある男性患者さんのお話。
その方は一人暮らしで、いわゆるごみ屋敷の住人さんでした。
認知症や心臓の持病もあり、民生員の方などが定期的に見守りをしてくれている状況でした。
そしてうちの病院に救急搬送。
さすがに介護保険などを使ってもらわないと心配ということになり、医師や看護師から
「デイサービスに行きましょう!」
と声をかけても
「そんなものは必要ない!」。
「うるさい!」
「俺は家に帰るんだよ!」
と全く聞き入れてもらえず。
兄弟の方から説得してもらって、
(兄弟もできるだけ関わらないようにしていたそうです・・)
「わかったよ」
と納得をしても、数時間後には忘れてしまい同じことの繰り返し。
さすがの医師もお手上げで、
「もう○○さんの好きなように生きてください。でも自分で帰るって言ったんだから、しっかりお薬を飲んでくださいよ?」
と伝え、翌日退院していきました。
すべての人間が
「あぁまた来るな・・・」
と思ったのは言うまでもありません。
ここまで行くと何を言ってもお手上げ状態というのがお判りでしょうか?
もしかしたらもっとやれる方法はあったのかもしれませんが、何しろご家族も非協力的だったので、積極的に考えようと声を上げる人間が少なかったんですよね・・・
でもこの方も、もっと早めにケアマネや訪問看護師などが介入出来ていたら、結果は違っていたかもしれません。
介護保険やサービスを利用するタイミングが重要だと考えさせられるケースの一つでした。
認知症かも?と感じた場合には早期に相談を
何より認知症に気づけるのはご家族に他なりません。
いつもと違う様子があったり、記憶力が低下したり「認知症かも?」と感じた場合には、早めに適切な場所に相談をしてみましょう。
実はこの家族側の敏感さが早期発見の鍵だと私は感じています。
例えば
「最近物忘れをするようになった」
というレベルで気づける方もいれば、
「徘徊が始まっていて、お薬もちゃんと飲めていない状況」
なのに
生活に問題はないと思います!
と言い切ってしまうご家族がいるのも現実です。
でも遠方でなかなか会えないご家族にしてみればそれも仕方ないのかもしれません。
ましてやこういった認知症の方は、
「自分は正常だ、どこも悪くない」
というように自分の体の変化を隠そうとしたり、本当は顔も名前も覚えていないような方にも
「こんにちは(*^-^*)」
というようにあたかも知っているようなふりをして、繕うといった特徴もあるくらいですから。
ですのでご家族としては、できるだけこの認知症に気づく力を身に着けて本人の変化に敏感になっていてほしいと思うわけです。
先手先手の対応をすることで、本人・家族のお互いの負担軽減につながるというお話でした(*^-^*)